建材タイルは、技術の進歩やデザインの多様化により、木目柄、石目調、モザイク柄など多様な意匠のものが登場しています。柄だけでなく、色や質感の重要性も高まっており、内装・外装、床材や壁材など、さまざまな用途で使用されています。施工時に色・柄・質感の違いが目立つと、クレームや張り替えにつながる恐れがあり、製品数が多い分だけ対応コストや損失も大きくなります。企業イメージの低下を防ぐためにも、色や柄を客観的かつ定量的に検査し、安定した品質を確保することが極めて重要です。
木目柄の建材タイル
木目柄の建材タイル(節あり)
木目柄の建材タイル解析画面
天然木の建材、ビニールの床材、テクスチャ柄の壁紙、人工大理石、建材用印刷フィルム
課題
「目視検査の限界」——色のばらつきが生む品質トラブル
検査員による目視検査では判定にばらつきが生じるため、本来NGのものが誤って合格とされることがありました。その結果、複数枚のタイルを並べると色の違いが目立ち、クレームや生産の差し戻しの原因となっていました。さらに、過去に製造した製品を再生産する際、基準品自体が経年劣化しているため、同じ色を再現するのが難しいという問題も生じています。
色彩計導入後の効果
「品質の見える化」で、顧客信頼と企業価値が向上
従来、検査員の目視に頼っていた検査を、当社の製品を導入することで検査員に依存しない高精度な検査を実現しました。その結果、検査の品質が安定し、歩留まりや生産性が大幅に向上。さらに、基準品を画像データとして保存することで、実物の劣化に左右されることなく、一貫した基準に基づいた検査が可能になりました。これにより、長期的な品質保証が実現し、顧客からの信頼向上と企業のブランド価値の強化につながっています。
①基準の設定…基準品を撮影し画像を保存します(最初の一回)。基準追加をクリックして設定完了です。
②検査…検査品を撮影します。これで準備完了です。
③結果…測定タブに移動すると検査結果が表示されます。検査結果や画像は出力可能です。
単色のタイルの色検査や、塗装機や印刷機の色の調整には色差(⊿E・⊿Lab)検査が最適です。基準品との⊿Eだけでなく、⊿L・⊿a・⊿bがそれぞれ算出されるので、基準品よりも赤味が強い、青味が弱いなどの情報が得られ、インクや顔料の調整がしやすくなります。
石目・木目・テクスチャ柄などの模様のついたタイルの色検査や、表面の凹凸や艶感などの質感の検査には、色分布一致度検査が最適です。測定範囲の平均的な色差だけではわからない、明るさを含む様々な色情報を総合的に判断する事で、より人に近い感覚で判定する事ができます。
経年劣化・薬剤などの耐候試験では、画像保存機能と結果出力機能が便利です。検査は全てのサンプルを撮影した後からでも可能。撮影画像と測定値を比較しながらレポートを作成する事もできます。旧製品と新製品で検査をすれば、これまで色については難しかった当社比何%といった数値での表記が可能になります。
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