近年のアイシャドウは技術の進歩により、より鮮やかで繊細な色合いの表現が可能となり、パールのような輝きやメタリックな光沢感を持つ製品も増えています。加えて、色の持続性や発色の鮮やかさも向上し、クリーム・リキッド・パウダーなど多様なテクスチャーによって仕上がりや使用感の選択肢も広がっています。これらの色や質感を定量的に検査・管理することは、品質管理や研究開発において重要であり、製品価値の向上と企業イメージの強化にもつながります。
アイシャドウ画像
アイシャドウ部分拡大画像
アイシャドウの光沢感解析画面イメージ
髪の毛、肌(化粧品効果)、商品パッケージ、樹脂製容器、ラメ
課題
パッケージの色と実際の色が異なることで、お客様からのクレームに
アイシャドウなどのカラーメイク製品では、パッケージの色と実際の色が異なる、前回と同じ色を購入したはずなのに色味が異なるといった声が寄せられることがありました。こうした色の違いによる不満は、製品そのものの評価だけでなく、ブランド全体のイメージ低下にもつながる深刻な課題となっていました。
色彩計導入後の効果
肉眼で見たままの色を再現できることで、企業ブランドの評価向上にも貢献
製品とパッケージを2次元色彩計で撮影・画像化することで、肉眼で見たままの色を正確に評価できるようになりました。さらに、基準品の画像データを保存することで、常に一定の基準に基づいた品質検査が可能となり、検査のばらつきを抑制。これにより製品品質の信頼性が向上し、ひいては企業のブランド価値の維持・向上に貢献しています。
①撮影…基準品を撮影し画像を保存します。測定画面で基準追加をクリックすると基準に設定されます。
②検査…検査品を撮影します。これで準備完了です。
③結果…測定タブに移動すると検査結果が表示されます。検査結果や画像は出力可能です。
化粧品のわずかな色の違いには⊿Labや⊿Eによる色差検査が最適です。熟練の検査員でないと判断が難しい微細な色差も検出可能。撮影画像から測定したい範囲を自由に設定して、⊿Labや⊿Eといった指標を使って定量的に評価ができます。色ブレの管理を数値化することで、製品ごとの安定した品質を保てます。
色差だけでは判断できない見た目の違和感には、色と質感を含めた一致度検査が効果的です。1ピクセル単位で取得した色の情報をLab色空間上にプロットすることで、光沢のない単色は一点に収束し、ラメや反射によって色が散乱する製品は立体的に広がる形として現れます。この広がりが「質感」として捉えられ、実際の見た目に近い比較が可能になります。ラメ入り化粧品など、質感の再現が重要な製品に最適です。
化粧品の持ち具合の解析には、肌画像の保存と比較が有効です。化粧品の肌へのなじみ方や色の持続性は、肌を撮影して記録する事で定量的に評価できます。撮影した画像を測定範囲とともに保存できるので、時間経過後も同じ位置での測定が可能。異なる製品の比較にも応用できます。
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