毛髪や繊維などの「毛束」は、複数の細い繊維が束になった構造を持ち、1本1本の間に空隙が存在するという特徴があります。そのため均一な面として扱うことが難しく、測定条件や観察環境によって見え方や色の印象が変化しやすい対象です。特に、繊維の密度や配列状態によって光の反射や透過が変わるため、下地の影響を受けやすく、安定した色評価が難しい素材として知られています。このような特性から、従来手法では定量的な色管理が困難とされてきました。
毛束のカラーサンプル
毛糸束の撮影画像
測定画面(マスク機能)
課題
繊維・毛髪の色測定における課題|隙間による誤差と数値化の難しさ
従来のスポット型測色機では、測定光が毛束の隙間を通過して下地の色を拾ってしまい、実際の繊維色と乖離した測定値になるという課題がありました。さらに、測定位置や押し当て方の違いによっても結果がばらつきやすく、安定した測定が難しい点も大きな問題です。その結果、色評価は目視や標準見本との比較に頼らざるを得ず、担当者ごとの感覚差や経験に依存する傾向がありました。
色彩計導入後の効果
繊維・毛髪の色を数値化し再現性を向上
当社のカメラ方式色彩計は、測定対象を点ではなく面として撮影し、画像全体を解析することで毛束の色をより実態に近い形で捉えることができます。さらに独自の画像処理技術により、色測定に不要な隙間や背景領域を自動的に除外し、繊維部分のみを抽出して評価することが可能です。これにより、従来は難しかった毛束の色を高精度に数値化し、感覚に頼らない一貫した色管理を実現します。
①基準の設定…基準品を撮影し画像を保存します(最初の一回)。基準追加をクリックして設定完了です。
②検査…検査品を撮影します。これで準備完了です。
③結果…測定タブに移動すると検査結果が表示されます。検査結果や画像は出力可能です。
基準となる毛束サンプルを1つ設定し、複数の測定対象と比較することで色差を定量的に評価します。本解析では単なる差の大きさだけでなく、赤味・黄味・明度といった色のズレの方向性まで明確に把握することが可能です。これにより、「どのように違うのか」を感覚ではなく数値で説明できるようになり、合否判定の明確化や調整指示の精度向上に貢献します。現場と開発、さらには取引先との認識共有にも有効です。
複数ロットの毛束サンプルを同一条件で測定・比較することで、色のばらつきを可視化し品質の安定性を評価します。従来は見た目や経験に頼っていた微妙な差異も、数値として明確に把握できるため、許容範囲の設定や異常の早期検知が可能になります。これにより品質管理の精度が向上し、不良流出の防止や工程改善にもつながります。安定した製品供給を実現するための指標として有効な解析です。
染料配合や処理条件の違いによる毛束の色変化を定量的に比較・分析することで、染色プロセスの最適化に貢献します。各条件による色の変化量や傾向を数値で把握できるため、狙いの色に対してどの要素が影響しているのかを明確にすることが可能です。これにより試作・検証の効率が向上し、開発スピードの短縮と再現性の高い条件設計を実現します。研究開発部門におけるデータ活用を強力に支援します。
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